こんにちは。白沪与荐です。
いつもご覧いただきありがとうございます。
近年耳にするようになった「Web3.0」という言葉を聞いたことはあっても、どのようなものかを知っている人は少ないかもしれません。
Web3.0は、次世代インターネットと言われていますが、これまでの技術と何が違うのでしょうか。
これから移行していくWeb3.0への理解を深め、実現する未来や現在の課題について知っていきましょう。
理解することで、ビジネスにWeb3.0を活用しやすくなります。
Web3.0とは
Web3.0とは次世代の分散型インターネットの総称です。
Web3(ウェブスリー)もしくはWeb3.0(ウェブサンテンゼロ)と読み、「分散型インターネット」とも呼称します。
3.0はアプリケーション管理におけるバージョン情報を示しており、これまでのインターネットよりも新しいものであることがわかります。
これまでのインターネット(Web1.0、Web2.0)との違い
インターネットは、登場してから現在まで、変遷を重ねてきました。
Web1.0から始まったインターネットは、Web2.0を経てWeb3.0へ移行しようとしています。
Web3.0への理解を深めるため、これまでのWeb1.0やWeb2.0について知り、理解を深めていきましょう。
Web1.0とは
インターネット黎明期から2000年代前半までのインターネットはWeb1.0と定義されます。
特徴的なのは、情報発信が一部のユーザーに限られていたことです。
現在に比較して回線の速度が遅く、さらに必要な機器や技術のハードルも高かったため、インターネットに接続しているユーザーのほとんどが情報受信者でした。
そのため、インターネットの目的は情報の閲覧であり、コンテンツの中心は静止画やテキストです。
情報発信も趣味で行う人もいましたが、静的なページが中心で、一方通行がメインです。
Web2.0とは
2000年代後半から現在までのインターネットはWeb2.0と定義されます。
ブロードバンド技術の浸透により、画像や動画の配信が可能になりました。これに伴って、GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)が台頭し、通信量が増加していきます。
しかしながら、巨大企業の台頭によってインターネットにおける活動は大型プラットフォームに依存しています。
そのため、ユーザーのデータはプラットフォームに依存しており、その所有権もありません。
また、SNSも一般化し、情報の双方向のやり取りが増えてきました。
Web3.0におけるキーワード
Web1.0からWeb2.0への変遷において、多くの新しい概念や技術が登場しました。
同じようにして、Web3.0においても注目されている技術や概念があります。
これから移行していく中で、これらの技術に重点が置かれていきます。
それぞれへの理解を深め、Web3.0への移行に対応できるように準備しておきましょう。
ブロックチェーン
ブロックチェーン技術とは、電子署名や暗号技術によってデータを鎖のようにつなげ、取引の整合性を維持する技術のことを指します。
このため、取引などにおいて不正を働く参加者が存在しても正しい取引を可能にし、改ざんが非常に困難であることによって、全体の停止が起こりにくくなります。
Web3.0において根幹に関わる技術です。
NFT
NFTは偽造不可能な鑑定書や所有証明書付きのデジタルデータのことを指します。
従来のデジタルデータの問題点は、コピーが容易で改ざんも可能であったことです。
これがNFTであるならば、オリジナルの証明を持つデジタルデータを作ることも可能になり、データ自体の資産価値を保証できるようになります。
最近では、NFT技術を用いたアートや会員証などとして利用されています。
DAO
DAOとは概念であり、分散自立組織のことを指します。DAOには組織を管理・運営する代表者が存在せず、参加者同士の意思決定によって運営されます。
そのため透明性が高く、ソースの閲覧も自由です。さらに誰でも参加することが可能であり、広義の意味で言えば、Web3.0そのものがDAOと言えるでしょう。
仮想通貨(暗号資産)
仮想通貨とは、インターネット上で取引できるトークンのことを指します。別名、暗号資産ともいいます。
法定通貨とは違い、国家による保証がない代わりに、インターネットがつながるのならばどこでも取引ができることが特徴です。
国家に依存しないため、国境を越えた取引が可能であり、そのため広範な活用法が期待されています。
Web3.0で実現できること
Web3.0がなぜ注目を集め、移行が進められているのでしょうか。
そこには様々な理由が存在しており、従来型のインターネットとは違った技術革新や価値観の刷新が起こると考えられているからです。
特定のプラットフォームに依存しない自由な通信
現在主流になっているWeb2.0において、通信のほとんどが大手プラットフォームを利用しています。
つまり、データやインフラなどにおいての依存性が高く、ユーザーの自由にはなりません。
Web3.0に移行すると、P2P技術でネットワークに接続することによって、企業によるデータ管理が必要なくなり、通信の自由度が高まるのです。
セキュリティの向上
前に述べたように、ブロックチェーン技術によって偽造やなりすましが困難になり、セキュリティ面の向上が実現します。
また、Web2.0においては大手プラットフォームのサーバーが攻撃されてしまうと隊長の情報が流出してしまいますが、個人でデータを管理するWeb3.0においてはリスクが軽減されるのです。
人種や国境に左右されないインターネットの利用
DAOの概念が広まってくると、人種や国境などに左右されるインターネットが意味をなさなくなります。
統括的な管理者が存在しないので、一方的なユーザーへの制限は難しくなり、国ごとでアクセスを一元管理することも難しいのです。また、同時に人種での制限や管理なども困難になるので、本当の意味で開かれたインターネットが実現します。
Web3.0の課題
Web3.0には大きなメリットがあります。ですが、現時点でのWeb3.0には課題があるのも事実です。
解決すべき問題点を知り、導入する際の参考にしてみましょう。
参入への技術的難易度が高い
ブロックチェーンやNFTなどに耳なじみがあまりないように、これらの技術は新しい技術です。そのため、一般に浸透しているとは言い難く、導入への敷居を高くしている一因でもあります。
また、ユーザー自身でデータを管理するため、機器の導入や設定もユーザー自身がやらねばならないのが現状です。
そのため、現状において一般の人がWeb3.0に参入するハードルは高いと言えます。
法的な整備が追いついていない
Web3.0は分散型インターネットであるため、管轄がわかりにくいという特徴があります。つまり、どこの国家が管理しているのかがはっきりしないために法の適用が慎重にならざるを得ません。
また、法の整備も進んではいますが、新しい概念であるために完全とは言えないでしょう。そのため、現在のWeb3.0では詐欺の被害も報告されています。
これらのことから、法整備は喫緊の課題です。
データ管理はユーザーが責任を負わなくてはならない
統括的な管理者がいないということは、データの管理はユーザー自身に委ねられています。もちろん、ハッキング被害などに対しても例外ではありません。
セキュリティ技術を有している人ならば問題はありませんが、全ての人がそうとは言えません。
そのため、ユーザー自身のデータ管理体制の整備や、ITリテラシーの教育、普及が課題となっています。
まとめ
新しい技術によって実現するWeb3.0によって、多くのことが実現します。
ですが、パラダイムシフトが起こる際にはある程度の混乱やコストがかかるものです。
現状の私たちはWeb2.0からWeb3.0の過渡期にいます。次世代への理解を深め、しっかりと備えていきましょう。